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性の権利(セクシュアル・ライツ宣言)について

セクシュアリティとは、人間ひとりひとりの人格に不可欠な要素である。セクシュアリティが充分に発達するためには、触れ合うことのへの欲求、親密さ、情緒的表現、喜び、優しさ、愛など、人間にとって基本的なニーズが満たされる必要がある。

 

セクシュアリティとは、個人と社会構造の相互作用を通して築かれる。セクシュアリティの完全なる発達は、個人の、対人関係の、そして社会生活上の幸福に必要不可欠なものである。

 

セクシュアル・ライツとは、あらゆる人間が生まれながらにして有する自由、尊厳、平等に基づく普遍的人権である。

 

人間と社会の健康なセクシュアリティの発達を保障するために、全ての社会があらゆる手段を講じて以下のセクシュアル・ライツを認識し、推奨し、尊重し、擁護しなければならない。

 

セクシュアル・ヘルスとは、これらセクシュアル・ライツが認知され、尊重され、実践される環境が生み出すものである。

(1999年 世界性科学会議 香港)

 基本的かつ普遍的人権です 
  1. 性的自由への権利   性的自由は、個人が性的な潜在能力のすべてを表現できる可能性をもたらす。そしてこれは、人生のどんな時どんな状況における、あらゆる形の性的強要、性的搾取、性的虐待をも排除する。
     

  2. 性的身体の自律、完全性、安全への権利  この権利は、個人的および社会的倫理の文脈において、いかなる拷問、身体切断、不具化(mutilation)、暴力からも解放され、私たちが自分自身の身体をコントロールし、楽しむ権利をも意味する。
     

  3. 性的プライバシーへの権利  この権利は、他者のセクシュアル・ライツを侵害しない限りにおいて、親密さに関する個々人の意志決定や行動を保障するものである。
     

  4. 性的平等への権利  この権利は、セックス、ジェンダー、性的指向、年齢、人種、社会的階層、宗教、身体的および情緒的障害にかかわらず、いかなる差別からも解放されることについて述べるものである。
     

  5. 性の喜びへの権利  性の喜びとは、自体愛を含め、身体的、心理的、知的、そしてスピリチュアルな幸福(well being)の源である。
     

  6. 情緒的性的表現への権利  性的表現は、エロチックな喜びや性的行為以上のものである。個々人は、コミュニケーション、身体的接触、情緒的表現、愛を通じて、自己のセクシュアリテイを表現する権利がある。
     

  7. 自由な性的関係への権利  これは、結婚するかしないかということ、離婚するということ、あるいは他の責任ある性的関係を結ぶという可能性を意味するものである。
     

  8. 生殖に関する自由で責任ある選択への権利  子どもをもつか持たないか、子どもを何人、どれくらいの間隔で産むかについて決定する権利、受胎調節手段の充分なアクセスが保障される権利を保障するものである。
     

  9. 科学的研究に基づく性情報への権利  性に関する情報が、何ものにも妨害を受けることなく、しかし科学的倫理的に実施された研究を通じて生み出され、あらゆる社会的レベルにおいて適切に流布されるべきであることに言及した権利である。
     

  10. 包括的セクシュアリティ教育への権利  これは、生まれたときからライフサイクルを通じた一生の過程であり、あらゆる社会的制度を巻き込むべきものである。
     

  11. セクシュアルヘルスに関するケアへの権利  性の健康に関するケアは、あらゆる性の悩み、問題、障害の予防と治療に応じ、利用可能でなければならない。

 セクシュアルヘルス1997年スペイン第13回世界性科学学会 
  • 包括的セクシュアリティ教育

  • 保健専門家の教育

  • 子供と思春期のセクシュアリティについての科学的研究

  • 「同性愛嫌悪」「両性愛嫌悪」「トランスジェンダー嫌悪」の克服

  • 性差別の撤廃

  • 性暴力の根絶

  • マスターベーションの推進(障害や否定面ではなく積極面の)性機能の奨励

  • 性に関する医療の整備

  • セクシュアルヘルスが基本的人権であるという考え方の推進

 リプロダクティブヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利) 

女性が生涯にわたって身体的、精神的、社会的に良好な状態であることを指しています。 これを享受する権利をリプロダクティブ・ライツといいます。

  1. 女性自らが妊孕性(にんようせい;妊娠する能力)を調節できること

  2. すべての女性において安全な妊娠と出産が享受できること

  3. すべての新生児が健全な小児期を享受できること

  4. 性感染症の恐れなしに性的関係が持てること

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